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新年のご挨拶 2019年

ビブリオバトル普及委員会は、発足から今年で活動10年目となり、節目の年を迎えます。
普及委員会が発足した頃からさまざまな人たちへと活動が広がっていく過程を眺めてきましたが、その頃の予想を大きく超え、多様な広まりを見せた年月だったように思います。
日々の暮らしのなかでビブリオバトルを楽しんでくださっているみなさまに、普及委員会を代表して、2019年の年頭のご挨拶を申し上げます。

まずは、2018年のこの1年間のできごとを振り返りたいと思います。

2018年10月30日(火)に、「ビブリオバトル・シンポジウム2018」(通算5回目)を図書館総合展運営委員会と共催にて実施しました。
https://bibliobattlesympo.wixsite.com/sympo2018
そのシンポジウムにパネリストとして登壇した顔ぶれのほとんどは、数年前の「ビブリオバトル首都決戦」(現名称「全国大学ビブリオバトル」)に出場したメンバーで構成されました。
そのことを最初から意識していたわけではなく、準備を進めるなかで気がついたことではあるのですが、過去に行われた首都決戦から数年の時間が過ぎてみると、大学を卒業してから社会のなかでそれぞれが自分の仕事に打ち込む一方で、在学中とは異なるステージでビブリオバトルに関わり続けてきたことがわかります。
数年という時間が経ったことで、各々の立場はあの頃と大きく変わってしまいましたが、2018年に改めてビブリオバトルについて語り合う場で再会できたことは、ビブリオバトル普及委員会を続けてきたことのなかでも嬉しいできごとのひとつでした。

また、2018月1月28日(日)には、「全国高等学校ビブリオバトル2017」の決勝大会が早稲田大学井深大記念ホールにて開催されました。
例年通り、全国の地区予選・地区決戦を勝ち上がってきた高校生たちが集まってきましたが、このときにも過去の「ビブリオバトル首都決戦」にバトラーとして出場していた方が参加されていました。
その方は大学卒業後に高校教員となり、生徒さんを引率する立場として「全国高等学校ビブリオバトル2017」に参加してくださったのです。
数年の時間が経つことによる状況の変化が、現在と過去とのつながりを感じさせてくれるようなエピソードをもたらしてくれました。

さらに、2018年12月23日(日)には、今年度の「全国大学ビブリオバトル2018〜大阪決戦〜」(通算9回目)の決勝戦が、大阪・立命館大学大阪いばらきキャンパスにて行われました。
1年前の年頭挨拶でも同じようなことを書きましたが、2018年も過去の「全国高等学校ビブリオバトル」決勝大会への出場経験者が、「全国大学ビブリオバトル2018」でも大阪での本戦まで勝ち上がってきました。
高校生だった頃よりも少し大人びた雰囲気になっていますが、あの頃と変わらずにビブリオバトルを楽しんでくれている様子は、会場から発表を眺めているだけでも楽しい気持ちにさせてくれました。

ビブリオバトルというゲームは、そのときその場所だけで「点」として終えてしまうような一過性なものではなく、それらが「線」となって結ばれながら未来へとつながっています。
高校生から大学生へ、大学生から社会人へとライフステージが変わるなかで、継続的にビブリオバトルに関わりを持ってくれているこういった人たちの存在は、そういった「線」としてのビブリオバトルの魅力を象徴しているようにも思います。
2018年からは「全国中学ビブリオバトル」も開催されるようになり、さらに若い世代に向けての全国大会を展開できるようになってきました。
ここからも新しい「線」が描かれ始めると思うと、数年後が楽しみでなりません。

2019年はビブリオバトル普及委員会の活動が10年目ということもありますが、今年は2010年から続く「全国大学ビブリオバトル」も10回目の大会となります。
2019年1月20日(日)に実施する通算5回目の「全国高等学校ビブリオバトル」も、開催日が目前に迫ってきました。
同じような取り組みを単純に繰り返すことを目的にしているわけではありませんが、ゲームには「次回」を期待するという楽しみ方もあります。
そのときその場所での「ビブリオバトルが楽しかった」という気持ちを大事にしつつ、「次こそは」という思いを受け止められるように、毎年恒例の同じ場所を「つくり続ける」、同じ舞台に「関わり続ける」ということも、ビブリオバトル普及委員会として重要な活動のひとつであると考えています。

一方、ビブリオバトルの新しい楽しみ方も、年を追うごとに増えてきています。
2018年3月4日(日)には、「ビブリオバトル全国大会 in いこま」の第3回大会が開催されました。
第4回は2019年3月9日(土)に開催予定であり、継続的な取り組みとして、年を追うごとに話題性が高まっている様子が伝わってきます。
また、2018年11月19日(月)には、著名人をバトラーに迎えた「ビブリオバトル☆スター決戦」が初めて開催されましたが、こちらも大きな話題となりました。
http://www.starbiblio.net/
2018年8月6日(月)には、韓国文化放送でビブリオバトルの特別番組が放送されるなど、日本発のゲームが海外へと大きく広がっていく様子も見えるようになりました。

2018年10月30日(火)には、通算3回目となる「Bibliobattle of the Year 2018」の大賞の授賞式も行いました。
それぞれの土地柄に合わせたビブリオバトルの楽しみ方が提案され、それらが実現化されているさまざまな事例を見ることができます。
「Bibliobattle of the Year」の取り組みを通じてそれらの情報を共有することで、ビブリオバトルのさらなる可能性が見えてきたようにも思います。

2018年9月に『本を贈る』(三輪舎)という本が出版されましたが、これをおもしろく読みました。
編集者・装丁家・校正者・印刷・製本・取次・営業・書店員・本屋・批評家のみなさまが、それぞれの立場から本について語っています。
この本を読んでみると、私たちが日々の生活のなかで出会い、手にしている本には、こういった多くの人たちの思いが込められていることがわかります。
ビブリオバトルで紹介される本にも、それを選んできたバトラーそれぞれの思いが込められていることを感じます。
本について語るとき、私たちは本との新しい「出会い」の機会を、誰かのためにつくり出す側に立つことになります。
「読者」という私たちの存在も、ほかの誰かに対して「本を贈る」という役目を担っているわけです。

「出会い」というキーワードは、昨年度の「ビブリオバトル・シンポジウム2018」のテーマにもなりました。
「ビブリオバトル・シンポジウム2018」では、パネリストとして花田菜々子さんにもご登壇いただきましたが、花田さんの著書『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(河出書房新社)が発売されたのも2018年のできごとです。
ビブリオバトルを通じて本や人との新しい「出会い」があったことや、誰かに対して「本をすすめる」ということの意義について、深く掘り下げて考えてみることが求められたのも、2018年という時代の空気がもたらしたものだったようにも思います。

ビブリオバトルの歴史を振り返ると、本を通じて多くの「出会い」が生み出されてきたことがわかります。
2019年も、ビブリオバトルを通して新しい「出会い」があちこちで生まれる年でありますように。
誰かに「本をすすめる」ことの楽しさが、もっと多くの人たちに広まりますように。

最後になりますが、ビブリオバトルの普及活動を支えてくださっているサポーター会員のみなさまには、ビブリオバトル普及委員会を代表してお礼を申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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