新代表就任のご挨拶(須藤秀紹)2021/06/22

第11回ビブリオバトル普及委員会通常総会にて,新代表 須藤秀紹を選出しました.
新体制となりましたビブリオバトル普及委員会を引き続きよろしくお願い致します.

ビブリオバトル普及委員会 組織体制
http://www.bibliobattle.jp/aboutus


新代表 所信表明

みなさん,こんにちは.

2021年度の総会においてビブリオバトル普及委員会代表の役を拝命しました須藤秀紹(すとうひでつぐ)と申します.ビブリオバトルの父である初代代表の谷口先生の後任としてビブリオバトルの成長を力強く支えてこらられた岡野先生の後を引き継いでの着任となります.

私は,幸いにもビブリオバトル壮明期ともいえる2009年ごろから公式ルールの整備や普及活動に関わることができ,読書活動やパブリックスピーキング能力,語学といった教育,地域や組織内のでコミュニティ形成,地域やイベントを盛り上げるための仕掛けといったさまざまな角度からその成長を目にしてまいりました.ビブリオバトルはすでに,単なるゲームとしての枠を超えて,社会的に重要なメディアの一つとして機能していると考えています.その普及活動を支える組織を束ねる立場に就くこととなり身の引き締まる思いです.

もちろん,現在のようにビブリオバトルをとりまく環境が豊かな発展を続けていることは,普及活動に関わってきた全ての方の努力の賜であり,またこのゲームのおもしろさや価値を理解して親しんで下さっているみなさまのおかげです.新しい代表の立場からも深く感謝申し上げます.

ここで新たに代表に着任するあたり,簡単に抱負を述べさせて頂きます.

ビブリオバトルの効能として,発案者の谷口先生はその著書の中で,(1)書籍情報共有機能,(2)スピーチ能力向上機能,(3)良書探索機能,(4)コミュニティー開発機能の4つの機能を挙げています.どの機能もビブリオバトル導入の目的として重要な役割を果たしてきました.

書籍情報共有機能は,図書館の書籍紹介や読書促進に大きな効果を発揮しています.スピーチ能力向上機能は,語学学習などの場で活用されています.良書探索機能も,学校教育の場などで「今,自分たちが読むべき本」を自分たちで見つけるしかけとしての効果を発揮しています.そしてコミュニティ開発機能は,ビブリオバトルを通して「仲間との新しいつながり」をつくりだすものです.

(1)から(3)の機能については,学校現場や図書館などを中心として多くのとり組みがなされ,だんだんとその方法論が明らかになってきました.そのような中,私がビブリオバトル普及委員会代表としてとくに着目したいと考えているのが,4番目のコミュニティ開発機能です.

コミュニティ開発機能は,コミュニティ形成・活性化機能と言い換えてもよいかもしれません.職場や地域,同好会などの場(=コミュニティ)において,ビブリオバトルを通して相互理解を深め,これによってコミュニティが本来の目的をより高いレベルで達成できる関係性をかたちづくることを目指すものです.つまりビブリオバトルによる交流がコミュニティの血液循環のような役目を果たしてコミュニティの働きを活性化させるというシナリオです.

ビブリオバトルの輪をさらに広げるためには,多様なタイプのコミュニティにおいてビブリオバトルを楽しんでもらえるような環境づくりが大切になります.皆様からアイディアを頂きながら,さまざまな「ビブリオバトル×○○」にチャレンジしたいと考えています.

また,ビブリオバトルの国際化にも取り組みたいと考えています.私が把握しているだけでも,台湾や中国,シンガポールや英国でビブリオバトルが開催された実績があります.しかしこれらの活動が継続的に行われているケースは少ないと感じています.せっかく海外にも潜在的にビブリオバトルを楽しみたいと考えている人たちがいるのに,それを発展させていく手助けができていないことはとても残念なことです.組織規模の制約から,朝一夕で解決できる問題ではありませんが,可能な範囲で取り組んで行きたいテーマの一つです.

もちろんこれまでの体制と同様,地道な普及活動にも丁寧に取り組んでゆきます.ビブリオバトルは本を通して人と人とを繋ぐメディアであり,その普及活動においても,やはり人のネットワークが重要です.ビブリオバトル普及委員会は,そのようなネットワークの核(ハブ)として機能すべきだと認識しています.

微力ではありますが,このような抱負を掲げてビブリオバトルの普及活動に努めさせて頂きます.今後とも,ビブリオバトル普及委員会の活動に変わらぬご支援を頂きますようどうぞよろしくお願いいたします.

須藤秀紹