開催スタイルと開催場所
1.開催スタイル
ビブリオバトルには大きく分けて3つの開催スタイルがあると言われています。
コミュニティ型(少人数)
もともとビブリオバトルが開発された時に想定されていたスタイル
10人程度以下規模のコミュニティでの繰り返し開催
コミュニティが何らかのテーマを持っていることが多い
ゲーム後や日常での相互交流が期待できるため、組織のインフォーマルコミュニケーション支援ツールとしてのビブリオバトルの効果が期待できる。
ワークショップ型(大人数)
大人数をグループにわけてパラレルでコミュニティ型のビブリオバトルを模擬する。
大人数であっても、各グループは少人数になるために、自然な相互交流は期待できる。
類似メンバーでの繰り返し開催が出来ないことが多く、ビブリオバトルを通したグループ内での共通知識の形成といったコミュニティ型の機能が完全に再現されるわけではない。
学校の教室で生徒達にビブリオバトルを実践してもらう場合にもよく用いられる。
イベント型(大人数)
少数の発表者と大多数の聴衆でやるタイプのビブリオバトル。
聴衆がオープン参加であることが特徴。
大人数になると相互交流が期待できない場合がある。
書店や図書館で連続開催される小規模なイベント型もある(聴衆が10名程度のものなど)。
ビブリオバトルのお祭り的開催としてなされる。
全国大会や高校生大会などはこれに含まれる。
特に「大会」のように大規模なイベントを志向すると一回の開催負荷が大きく、繰り返し開催が困難となるため、繰り返しによるビブリオバトルの効果が得にくくなる。
そもそものビブリオバトルはコミュニティ型を想定して作られました。
その後,普及活動の中でイベント型が作られました。
さらに、大人数でワークショップをする際にできるだけコミュニティ型の良さを残そうとワークショップ型が考えられました。
現在では、多くのビブリオバトルが上のいずれかで行われています。
新聞等ではイベント型の大会がとりあげられることが多く、大会スタイルのものがビブリオバトルだと勘違いされがちですが、ビブリオバトルは本来5、6人程度で楽しめる本の紹介ゲームです。
ぜひ気楽に自分たちにあった、ビブリオバトルを遊んでみてください。
文責:谷口忠大 2017/01/18
参考1. ワークショップ型ビブリオバトル説明ムービー
参考2. 【360°カメラ】ワークショップ型ビブリオバトル『するどい「質問力」!』
2.開催場所や開催コミュニティ
ビブリオバトルはどこでも誰とでも自由に楽しんでいただける書評ゲームです。
どこでも誰とでも楽しめるということは、逆に、いろんな場所でやることで、様々な特徴あるビブリオバトルがオリジナルにデザインできるということを意味しています。
本当に現在は様々なビブリオバトルが開催されています。
家族でビブリオバトル
放課後にビブリオバトル
図書委員会でビブリオバトル
SFファンだけでビブリオバトル
怪談好きの人だけでビブリオバトル
新入社員のビブリオバトル
留学生と英語でビブリオバトル
河原でビブリオバトル
山頂でビブリオバトル
先生同士がビブリオバトル
公式ルールは守りながら、みなさん自身のビブリオバトルを開催いただければ幸いです。
文責:谷口忠大 2017/01/18
3.開催のサイズとツール (2010年執筆)
初めて開催する人が困るのが、「どこで開催していいのかわからない!?」ということがあるかと思います。
例えば、仕事場でやる場合。
たとえば、オフィスの会議室、研究室とかを確保できれば、大画面液晶やフルセットでのビブリオバトルが楽しめます。
そうで無い場合はどうしましょうか?
誰かの家や、借りた会議室なんかで出来るかもしれません。
大きな声をたてても怒られない場所ってのは大事ですね。
その時にはミディアムセットでのビブリオバトルが楽しめるでしょう。
最後に、スタバやドトール、ファミレスみたいな公共空間で楽しむときは、ちょっと、ひかえめなミニマルセットで楽しみましょう。
先に整理しておくと
【フルセット(完全版)】
開催場所:研究室、イベントスペース など(プロジェクターや大型ディスプレイあり、空間を占有できる)
【ミディアムセット(普及版)】
開催場所: 会議室・誰かの家 など(プロジェクターなどは無いが、空間を占有出来る。ワイワイできる)
【ミニマルセット(最小版)】
開催場所:カフェ・ファミレス など(カウントダウンタイマーやカメラを回せない、ビデオも撮りにくい)
あくまで目安ですが~!
1. フルセット(完全版) Lab. or Event Space Style
フルセットはプロジェクターのある会議室や、イベント会場、研究室などで行う場合のスタイルです。
フルセットとは
大型液晶やプロジェクターで、みんなに見える画面でカウントダウン
(ビデオと聴衆にはこれが見える)
手元のPCでカウントダウン
(発表者にはこれが見える)
ビデオで撮って、YouTubeに後からアップロード(optional)
タイマーはタイマー情報ページを参考に利用してください。
2. ミディアムセット(普及版) Meeting Room or Private Room Style
ミディアムセットは、ノートPCはあって、それなりにわいわいやって構わない場所は確保できるんだけど、そんなに上等なプロジェクターとか、ディスプレイは持っていないという時のスタイルです。
手元のPCでカウントダウン、これはビデオカメラ、聴衆の方を向ける。
(発表者はのぞき込んで、今の時間を確認)
ビデオでとって、YouTubeに後からアップロード(optional)
基本的には1.の中で大型液晶などがないので、一台のPCで工面しているという感じです。
フルセットに比べると手間感があり、また、カメラの中にプレゼンターとタイマーを両方おさめるのがむずかしかったりするので要注意です。
3. ミニマルセット(最小版) Cafe Style
ノートパソコンもないし、場所もない。手元にあるのは100円だけwww
という人向けのビブリオバトル、というか、それだけでもできるのがスゴイですね。
このスタイルなら、多分、普通のカフェでやっても大丈夫です!
キッチンタイマーやiPhone、携帯電話のカウントダウンタイマーなどで5分をはかる
ビデオ撮影はしない(optional)
基本的にビデオ撮影をしないのは、カフェやファミレスなどでゲリラ的にやってしまうコトを想定しているからです。
その場合、カメラを回すと、やはり他の人の姿も入りますし、また、けっこう目立ってしまいます。
それがお店のご迷惑になる可能性があるので、要注意なのです。
# また、発表者の位置に移動したりすると、傍目に見てバタバタしてみえる。
お店の了解が得られたら、撮影もOKですが、その辺りはお店と個別に交渉してください。
いちばんカジュアルにやるスタイル。
でも、やっぱりカウントダウンタイマーを回す盛り上がりを経験してしまうと、ちょっと,不満足かもしれません。
文責:たにちゅー 2010/02/14
番外編:オーバーセット(やりすぎ)
400人以上入るようなホールを借り切って、イベント告知も盛大にやります。
登壇者は予選を勝ち抜いた選りすぐりで、カウントダウンは巨大モニターかプロジェクターで。
スペースが広くなると、みんな「本」が見えなくなるので本の画像もプロジェクションしましょう。
メディアにもプレスリリースなどだして、イベントを広報しましょう。
運がいいと取材もきてくれるかもしれません。
くれぐれも、これが普通のビブリオバトルだと思わないようにしましょうwww
また,様子はUstreamで放送すると,さらなる視聴者があらわれるかもです!
文責:たにちゅー 2010/11/16