Bibliobattle of the Year2016 受賞者
(優秀賞、特別賞、新人賞)
6月19日に開催された「Bilbliobattle of the Year 2016」の表彰式において、優秀賞7件、特別賞16件、新人賞13件が発表されました。
優秀賞
山本弘
(受賞理由) 本格的ビブリオバトル青春小説シリーズ「BISビブリオバトル部」(東京創元社)を執筆した。優れた物語のなかでビブリオバトルのエッセンスを散りばめながら、これまでビブリオバトルに関心のなかった新たな層にビブリオバトルの魅力を伝えた。本シリーズでは、物語のなかでビブリオバトルの様々な楽しみ方や、「本を通して人を知る」人間模様、青春ドラマが描かれており、ビブリオバトルの観戦や体験だけでは伝わらない魅力を多くの読者に届けた。作品としての面白さだけでなく、ビブリオバトル普及活動における貢献も大であると評価された。
(受賞理由)社会人向けビブリオバトルの先駆けであり、2010年から定期開催を続け、2016年4月時点で68回の開催を行っている。市民図書館や書店、ギャラリーといった様々な場所での開催も特徴で、本にまつわるイベントとのコラボレーションも多数あるフットワークの軽さが特徴である。主催している3名は、天満橋ビブリオバトルの開催のほか、フォーラム講師や他のビブリオバトル開催地立ち上げのサポートにも動き、天満橋ビブリオバトルを起点として、ビブリオバトルの取り組みが関西一円へ広がっていることも高く評価された。
(受賞理由) 生駒市図書館を拠点に発足した生駒ビブリオ倶楽部は、2013年より定期開催を続けてきた。テーマと連動した企業とのコラボレーションといった外部を巻き込む運営力が特徴である。そうした運営力を基盤に、立ち上げまもなく関西大会を実現し、さらに2015年には、年齢制限無しの社会人にも開かれたものとしては初めてとなる全国大会「ビブリオバトル全国大会 in いこま」の開催も行った。これら、生駒市における地域に根づいた着実な活動のみならず、ビブリオバトルコミュニティを全国にわたり広くつなぐ活動が高く評価された。
(受賞理由) 京都でビブリオバトルふしみを立ち上げ、定期的なビブリオバトルの開催や地域イベントと交流を重ねるなど、ビブリオバトルの枠を超えた活動をしてきた。個人としても各地のビブリオバトルに参加し、「ビブリオバトル首都決戦」の本戦出場、「ビブリオバトル関西大会 in いこま」でのチャンプ本獲得など、華々しい活躍をしてきている。2016年からは、日本での地域活動を発展させ、青年海外協力隊として赴任したソロモン諸島で、ビブリオバトルの定期的実施を通した国際的な普及活動を実践している。「伏見の益井」から、「世界のMasui」と呼ぶに相応しい活動が高く評価された。
優秀賞
坂本那香子さんと紀伊國屋書店
シンガポールリャンコート店
(受賞理由) 紀伊國屋書店シンガポールリャンコート店において、月1回ビブリオバトルを開催し、海外でのビブリオバトルの定期開催を初めて定着させた。紀伊國屋書店では、2010年から新宿南店をはじめ、幾つかの国内店舗においてビブリオバトルの開催を行っている。ビブリオバトルの開催は、既に日本国内では全都道府県で行われているものの、海外への展開は重要なチャレンジとして認識されている。このようななかで、坂本氏と同店舗は、シンガポールでの定期開催を実施し、在シンガポール日本人のビブリオバトルコミュニティを形成したことが高く評価された。
特別賞
NPO法人新座子育てネットワーク
特別賞「子どもから大人まで一緒に楽しいで賞」
(受賞理由)埼玉県新座市で、子育て中の人々と子育てを応援してくれる人々をつなぐ活動を行うNPO法人である。2015年度は、新座市児童センターにて、「パパたちのビブリオバトル」「里のビブリオバトル」など、子どもから大人まで、世代を超えたビブリオバトルを定期的に開催した。代表理事の坂本氏は、新座市図書館協議会会長として、「第3次新座市子どもの読書推進計画」を策定した。新座市においてビブリオバトルの普及推進を進めてきた点が評価された。
(受賞理由)家族でのビブリオバトルを継続して開催する一方で、ヒッチハイクで日本各地のビブリオバトルに参加、また、ビデオチャットを活用することで、地域の垣根を越えた「オンライン・ビブリオバトル」の定期開催を行っている。2015年度は、特に普及委員会の行事や新企画に積極的に関わり、普及委員・会員がつながる場づくりにも貢献をしてきた。ビブリオバトルを通して、さまざまなつながりを紡いできた姿勢が評価された。
(受賞理由)東京都足立区立図書館の指定管理者として、区内の図書館や学習地域センターで、毎月1?2回ずつビブリオバトルを定期開催している。2015年度は、11月に開催された「ビブリオバトル・シンポジウム2015」へ、社長をはじめ多くの社員が足を運び、社内にも「ビブリオバトル部」を設けるなど、全社を挙げて足立区内のビブリオバトルの活動に力を注いでいることが評価された。
特別賞
大野 晴己
特別賞「浜松ビブリオ賞」
(受賞理由)知的活動推進協議会<よみかたり浜松>において、本を通した様々な活動のなかで、ビブリオバトルを積極的に活用し、定期開催を続けている。浜松市を中心として、ビブリオバトルの普及に貢献している点が評価された。
特別賞
坂本 牧葉
特別賞「ビジュアルデザイン貢献賞」
(受賞理由)ビブリオバトル普及委員会のウェブサイトのほか、「全国大学ビブリオバトル」のウェブサイトやポスターのイラストを手がけ、ビブリオバトルのビジュアルデザインのイメージ構築に大きく貢献してきた。ビブリオバトルの黎明期より、陰ながらビブリオバトルの運営を支えてきた点が評価された。
(受賞理由)学級文庫として「まちライブラリー」を開設し、その運営を子どもたちが積極的に行っている。そのなかの活動のひとつが、給食の時間に実施しているビブリオバトルで、週に2回の頻度で継続して行われている。そこで紹介された本は本棚に追加され、それを読んだ子どもたちがメッセージを書き込むなど、本を軸にしたコミュニケーションが活発であった。その結果として、クラス内だけでなく、先生や保護者にも広がっていったことは、本でのコミュニケーションの魅力を感じさせるものだった。これらの特色ある活動が評価された。
(受賞理由)愛知県立松山南高等学校におけるビブリオバトルの普及活動や、啓発活動が評価された。同校では戸苅氏の指導のもと、全国高等学校ビブリオバトル大会の参加、文化祭でのビブリオバトル関連の展示を行っているほか、ホームルール活動におけるビブリオバトル実施の支援、総合的な学習の時間でのビブリオバトル実施を行い、指導を担当している。
新人賞
中山 岳彦
(受賞理由)栃木県日光市立湯西川中学校の社会科教諭および司書教諭として、自校で生徒たちを対象としたビブリオバトルを開催した。併設の小学校でもビブリオバトルを開催したり、中学ビブリオバトル関東大会にチャレンジするなど、その活動を広げている。また、宇都宮市立南図書館を拠点として、「とちぎ本活くらぶ」を結成するなど、栃木県全体のビブリオバトルの普及に力を注いでいる点を評価した。
(受賞理由)埼玉県立春日部女子高校図書館の学校司書として、校内で4月入学と同時に行われる「一年生ビブリオバトル」や、文化祭での実施など、年間を通じて積極的にビブリオバトルを開催している。また、校内だけでなく、埼玉県内をはじめとして、全国の学校司書や司書教諭にビブリオバトル導入のための支援活動を行っていることも評価された。 。
新人賞
高見 京子
(受賞理由)東京学芸大学の非常勤講師として、司書教諭科目授業のなかでビブリオバトルのワークショップを開催したほか、特に、学校図書館および学校司書や司書教諭に向けたセミナー・ワークショップの講師として活躍したことを評価した。
(受賞理由)信越地区の中核大学において、ビブリオバトルを図書館でのイベントとして定着させ、学生間での認知度向上に貢献した。また、ビブリオバトル信州は、「全国大学ビブリオバトル2015」の中部地区決戦の主催も行っている。これらの点が総合的に評価された。
新人賞
久保 一美
(受賞理由)2011年頃から、京都府向日市の保護者による図書ボランティア活動を行い、そのなかでビブリオバトル開催も手がけている。近隣の中学校の図書ボランティアをビブリオバトルへ招くなど、普及に貢献している点も高く評価された。向日市において、さらなるビブリオバトルの定着と楽しい普及が期待される。
(受賞理由)米子ビブリオバトルを立ち上げ、定期開催を行ってきた点が評価された。今後も鳥取、米子において楽しいビブリオバトルの普及のコアとなられることが期待される。
新人賞
穂坂 隆義
(受賞理由)福岡県筑豊エリアで、図書館でのビブリオバトル支援や、自らの所属する団体「かまくら」の主催でも、「嘉麻本合戦」という戦国を模したビブリオバトルを定期的に開催。精力的な活動を行っている。これらの特色あるビブリオバトルの開催と、その普及活動が総合的に評価された。
新人賞
元野 巌
(受賞理由)鹿児島市立清和小学校の読書クラブにおいて、生徒たちとミニ・ビブリオバトルを定期的に開催している。小学生向けにルールをわかりやすく伝えることに努めるとともに、ビブリオバトルの楽しさを大事にする活動が評価された。